籐巻きグリップ仕様のグラスロッドシリーズ「Amber Fish」。これはtype S。グリップはまだまだ塗装途中ですが、この組み合わせはやっぱ良いです。グリップが完成して琥珀色になったらさぞ美しい竿になることでしょう。ちなみにこの竿はお客様からのオーダー品(有難うございます)。サンプル作るつもりでしたが、先にオーダーが入りました。オプションのメノウガイドを付けて、リールシートはニッケルシルバーのギャリソンタイプで、クラシックな出で立ちになります。ウッドスペーサーは花梨バールですから、竿とグリップの相性もとても良いです。
type Mはトルクがありパワフル。上級キャスターなら20ヤードオーバーも楽にこなしてくれるパワーを持っています。近距離では少しコツが入りますが、普通にループが作れる方でしたら、問題なく使っていただけます。ふいに現れる大淵でライズする大物岩魚を狙う時なんか、この竿の性能がフルに活躍してくれそう。基本はミドルレンジ寄りの釣りが好きな方にお奨めですね。
一方、type Sはグラス特有のしなやかさで、近距離から楽に曲がってくれますから、ショートからミドルレンジの釣りがメインになる通常の渓流では一番使いやすいと思います。この竿で尺岩魚がかかったら、それはもうたまんないですよ。半透明のダークアンバーのブランクがとても綺麗で、ショートレンジが多い一般渓流・山岳渓流で釣りをされるならtype Sをお奨めします。
グラスロッドって、グラファイトが登場して過去の遺物のような扱いを受けてますが、実はかなり実践的な竿なんです。ブランクは丈夫だし、コントロール(ロッドの方向性能)も意外と良い。それにトルクがあるから、ループが重く(変な言い方ですが)スローラインでもグイグイラインを運んでくれます。反面、魚がかかるとしなやかさのお陰で、ヤマメの鋭い反転やローリングにもティップがはねることなく竿が追従してくれます。
それともう一つ、ブランクカラーが綺麗な事。グラファイトでグリーンとかブラウンとかの塗装をしても、透けることはありません(塗装は透けてもブランクは透けませんから)。でもグラスは半透明に出来るから、ブランクとラッピングが凄く綺麗に仕上がってくれます。バンブーロッドもストローカラーだからラッピングが映えます。これだけはグラファイトには真似できません。けっして懐古主義ではないグラスロッド。楽しみの巾がまた一つ増えてくれそうです。
上:半透明のダークアンバーブランクが美しいtype S。グリップが完成して琥珀色になったら、さぞ綺麗な組み合わせになることでしょう。ほ、欲しい〜、自分用に。
下:ニッケルシルバーのギャリソンタイプのリールシートとオレンジの縞模様が綺麗なアゲート(天然瑪瑙)ガイド。フレームはニッケルシルバー。ちなみに、スネークガイドはチタンコートの軽量ライトワイヤーという渋い組み合わせ(総てオプションになります)。
下の竿はtype M。グリップは八割がた完成。あと数回塗装すれば完成します。今くらいの季節は漆の乾きが良いので思ったよりはかどります。ハニーカラーのブランクと綺麗にマッチしてます。type Sとは違う個性で、これもまた良いんですよ。