残念ながら、なでしこJAPANは銅メダルを取れなかった。アメリカ戦と比べると、コンディションも良さそうで、得意のボール奪取から好機を作っていた。以前ならドイツに好機を殆ど作らせてもらえなかったなでしこ。そういった意味では確実にレベルが上ったと思う。しかし、ドイツはやはり一枚上手だった。
前半はDFをしっかり固め慎重に様子を伺い、30分を過ぎた頃から激しいプレスをかけて徐々になでしこの攻撃の芽を摘んでいく。後半に入るとドイツが動く。19分までに3枚のカードを使いきり、攻撃の厚みを加えていく。それに対して、なでしこは対応が遅れた。最初の交代が23分。それも大野に替えて丸山の投入のみ(大野は前線で効いていたのに勿体無い。替えるなら永里だったと思う)。直後、交代で入ったドイツのバイラマイにゴールを割られる。なでしこの攻撃に、ドイツDFはファール覚悟の当たりでゴール前に侵入を許さない。浮き足立つなでしこを見計らったかのように、ブリンツのクロスがゴール逆サイドに待ち構えていたバイラマイに通り、とどめの2点目。試合の流れを読み、確実にチャンスをものにする。アメリカもそうだが、攻撃に労を惜しまない。行けると判断したらリスクを負って分厚い攻撃を仕掛ける。
本当に残念。でも、心から彼女らに拍手を送りたい。タフなハートを持ち、けっして諦めないなでしこJAPAN。彼女らの戦いは常に女子サッカーの存亡を賭けている。男子サッカーと違い組織化されていない女子サッカーは、代表が弱くなれば掃滅の可能性もありうる。サッカーをしたい、そのためだけに彼女らは戦う。だから心が折れない。がんばれ、なでしこ。そしてベスト4おめでとう。