グラファイトのフライロッドには、飾りとしてよくゴールドティンゼルが使われている。ワンポイント的なものから、ど〜だ!、と言わんばかりに目一杯使ったものまで様々。特にアメリカ製のロッドは必ずといっていい位この金糸が施されている。個人的に言うと私はこの金糸使いがあまり好きではなかった(あくまで個人的な意見ですので)。
通常、ゴールドティンゼルはナイロンのAスレッドより少し太い。そのせいで、ふんだんに巻かれた金糸の上に、これまたてんこ盛りのコーティングを施してあるから、シャープさがなく美しくない(てんこ盛りのコーティングは竿により強度面で必要な場合もあります)。だから、がんばって綺麗にコーティングをしても太いティンゼルでエッジがなるくなり、美しく仕上がらない。
そのため、要望が無い限りティンゼルで飾り巻きをする事は殆どなかった。ところが、極細のティンゼルが出てくれたお陰で、実にシャープに仕上がるようになった。このスーパーファイン・ティンゼルはシルクスレッドより少し太いくらい。コーティング後のエッジもシャープだが、巻いた状態も細身のため、実にすっきりして品がよい。シルクスレッドとあわせても綺麗に仕上がってくれる。
食わず嫌いが直ったお陰の反動か、最近、組み立て依頼を受けたグラファイトロッドには金糸の飾り巻きをバカスカやっちゃってます(笑)。
※写真はセージTCRの#8。ドレッシングはプロダクションモデルと一緒の仕様にしてますが、シルクスレッドを使ってあるので、すっきり仕上がってます。勿論ゴールドティンゼル使ってます。竿は私のじゃありません(欲しい)。
ちなみにTCRはスパインのところにガイドを取り付けるようになってます。Z-AXISはスパイン横になってます。普通はスパイン横に取り付けて初動時の曲げのきっかけを作りやすくするのと、曲がる方向が決まる為ブレが起きにくくなり直進性を持たせることが出来ます。一方スパインに乗せると一番硬いところなので、より反発力を持たせる事が出来ます。ただし、ロッド側面が曲がりやすくなっている為ブレが起きやすくなるので、きちっとしたキャスティングが出来ないと宝の持ち腐れになってしまいます。