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私の好きな木材に神代(じんだい)があります。何らかの理由で土に埋もれた木が、気の遠くなるような年月を経て、木色が独特の色合いに変わったものを神代と呼びます。宮城県産の神代や、秋田と山形にまたがる鳥海山の噴火によって埋もれて出来た神代が特に有名。
土中から掘り起こし手間隙かけて綺麗にした後、じっくり乾燥させる。通常より遥かに面倒なのに、土埋木ゆえ、綺麗な状態のものは少なく、表面上良くても切ってみたら、中は酷い有様なんて事も多々。労力の見合わない木材です。そんな厄介な木材使わなくてもと思っちゃいますが、木が好きな人なら、あの独特の色合いを見てしまったら、そんな苦労も吹っ飛んでしまうのでしょうね。
神代は1本1本色が違い、同じ色合いは共木以外はありません。色は大きく、茶神代、灰神代、黒神代に分けられています。材木屋さんでは黒神代が良しとされているようですけど、私が好きなのは灰神代。神代と言えばこの色と、代名詞になってるような灰神代ですが、墨色が実に魅力的で、この墨色は日本人の心の琴線にぐぐっぐいっと触れてくる気がするのです。
今回は、オーダー主様から、渋めの組み合わせでとの依頼だったので、その神代タモをフレームに使いました。それも極上の縮み杢まで入ってます。太陽光にさらすと、墨色がきらめき、渋いのにたまらなく綺麗(ウットリ)。神代の雰囲気を壊さないよう、グリップは黒柿、内張りに玉杢がバリバリに出てるタモを合わせました。
塗装工程の途中なので、表面は荒れていますが、これがピカピカに仕上がったら、と思うと、今からワクワクします。でも、自分のじゃ無いから、出来上がり次第、手もとから離れちゃんですよね。